先日、ご結婚を迎えられる素敵なお客様へ、アコヤ真珠のネックレスをご納品いたしました。
純白のドレスに身を包んだ花嫁様。その幸せそうな笑顔を拝見し、私たちも温かい気持ちでいっぱいになりました。
今回は、そんなハレの日の納品で生まれた、ある「ご提案」について書きたいと思います。
■ そのサイズ調整、余った珠をどうしますか?
今回のお客様はとても細身の方でした。 既製品の長さ(約42cm)では少し長すぎてしまうため、ネックレスの長さを調整することになりました。
通常、調整で外した真珠は、そのまま予備として袋に入れてお返しすることが一般的です。 しかし、小さな真珠の粒をそのまま持っていても、結局は引き出しの奥で眠ったままになってしまうことがほとんどです。
それはあまりにも勿体ない。 そこで、私たちは「あるご提案」をさせていただきました。
「抜いた真珠を一粒使って、普段使いできるペンダントにしませんか?」
真珠の連(ネックレス)は、冠婚葬祭などの「ハレの日」には欠かせない、背筋が伸びるような気品を持っています。 しかし、それゆえに普段の生活では少し着けにくく、出番が限られてしまうのも事実です。
そこで、外した真珠をシンプルな一粒ペンダントに仕立て直す。 そうすることで、Tシャツやブラウスなどのカジュアルな装いにも似合う、日常に寄り添う輝きへと生まれ変わります。
「これなら毎日使えます!」 そう言って、花嫁様はとても喜んでくださいました。
■ 真珠が「安産のお守り」と呼ばれる理由
実は、この一粒ペンダントのご提案には、もう一つの大切な理由がありました。 花嫁様は、新しい命を授かっていらっしゃったのです。
真珠(パール)は、母貝(アコヤ貝)の体内で、長い時間をかけて層を重ね、大切に育まれます。 その姿が、お母さんがお腹の中で赤ちゃんを育てる姿と重なることから、真珠は古くから「安産のお守り」として愛されてきました。
また、真珠の丸い形は「円満」を表し、家族の愛の象徴とも言われています。
フォーマルな連のネックレスは、少し重たく感じる時期かもしれません。 でも、軽やかな一粒ペンダントなら、お腹の赤ちゃんと過ごすマタニティライフの毎日も、無理なく肌身離さず身に着けていただけます。
母となる娘へ、健やかな安産を願って。 そんな想いも込めたリメイクでした。
■ 一つの連を分かち合う、母娘の絆
そして、ブログを読んでくださっている皆様にだけ、もう一つのアイデアをお話しします。
もし、サイズ調整で真珠が「二粒」余ったら……? あるいは、あえてもう一粒抜いて……?
その一粒を、お母様へのペンダントにするのも素敵だと思いませんか?
今まで大切に育ててくれたお母様と、これから母になる娘様。 元々は一本だった「同じ連」から生まれた真珠を、離れて暮らしていてもお互いの胸元で輝かせる。
それは、別々のジュエリーを買うのとは全く違う意味を持ちます。 見えない絆が、形となって二人を繋いでくれるのです。
■ 「一生もの」としての責任
「サイズを変えてしまったら、将来太ってしまった時に困るのでは?」 そんな不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
どうぞご安心ください。 将来、もし少しゆとりが欲しくなった時には、抜いた一珠をまた戻したり、新しい真珠を足したりすることも可能です。
人生の歩みに合わせて、形を変えながら寄り添い続ける。 「今」の喜びだけでなく、数十年後の使い心地までお約束してこそ、私たちジュエリー土屋が考える本当の「一生もの」です。
■ 結びに
一本のアコヤ真珠のネックレス。 それは単なる装飾品ではなく、家族の物語を紡ぐ「絆の糸」です。
結婚、出産、そしてその先へ。 お客様の人生の節目に、私たちのジュエリーが温かく寄り添えることを、心より願っております。
全国で9人福井で唯一
(一社)日本真珠振興会真珠検定委員会認定
パールスペシャリスト
土屋 道照












